腰痛で歩けない!もしかして重大な病気!?考えられる3つの原因と対処法

  • 腰を曲げないと歩けない
  • お尻から足にかけてしびれる
  • 足に力が入らない
  • トイレが困難
  • 朝起きる時が痛い

突然腰が痛くなり、歩けなくなりました

ある腰痛の患者さんです。

最初に腰痛を発症したのは約一年前でした。

それから時々、腰を痛めることがったのですが

歩けないほどではありませんでした。

 

よく自転車に乗ったり、ボクシングで体を鍛えて

いたので筋力が落ちていることはなかったです。

 

腰痛が悪化し始めたのはお孫さんが娘と一緒に

自宅によく遊びに来てからです。

 

最初はお孫さんが一人だったので、楽でしたが

2人、3人と増えていったのと同時に世話をすることが増え

身体に負担がかかり疲労が蓄積していきました。

 

忙しくてボクシングにもいけず、足の筋肉が徐々に

衰えていきました。

 

お孫さんが大きくになるにつれて、旅行や買い物など

よく外出するようになり歩くことが多くなりました。

 

ある日、ご主人とお孫さんと京都へ行った時に

突然、腰に痛みが走り、それから歩くのも辛くなりました。

その日はなんとか持ちこたえたのですが、次の朝、痛みが

強くなっていて起き上がるのも困難な状態でした。

 

「これは、おかしい・・・」

 

と思い帰ってから直ぐに病院で診てもらいました。

レントゲンやMRIを撮り、検査の結果は

脊柱管狭窄症という腰の疾患でした。

 

痛み止めの注射や薬を飲み続け、リハビリを受けるために

毎日通院しましたが全然良くならないところか悪化して

いきました。

 

立っているだけでも痛みが出て、座っていることが

多くなりました。腰を真っ直ぐ伸ばして歩くと痛みが

強くなるので、前かがみで歩くようになりました。

 

トイレも困難になり、どうしたらいいのか

途方に暮れてしまいました。

 

そんな状態で当院へ来て頂いたのですが

腰が痛くて歩けないとき、最初に疑いをかけるのが

脊柱管狭窄症です。

 

他にも椎間板ヘルニア、脊椎分離症、脊椎すべり症が

ありますが、まずは脊柱管狭窄症について解説していきます。

高齢者に多い脊柱管狭窄症

腰痛で歩けない場合、一番考えられるのが

脊柱管狭窄症です。高齢者に多い疾患ですが

50代~60代でも多くみられます。

 

特徴的なのは歩くと腰からお尻、足にかけて痛みや

しびれが出て(坐骨神経痛)、ひどいと足を引きずって

歩くようになり(間欠性跛行)、座って休むと症状が軽減、

もしくは消えます。

 

*間欠性跛行は動脈硬化や高脂血症によって

血管が狭くなり起きることがあります。

(外腸骨動脈、後脛骨動脈、膝窩動脈の狭窄)

 

再び歩き出すとまた、痛みやしびれが出ます。

 

脊柱管狭窄症かどうか自分で判断するには

腰を前に曲げると痛みが軽減し、腰を後ろに

倒すと痛みが増加します。

 

これでもよく分からない場合には

仰向きで寝て両膝を両手で抱えて胸の方へ

引きつけます。そして床に向かって真下に

膝を押しつけてみます。

 

この時に痛みが軽減したならば脊柱管狭窄症の

疑いがあります。

 

脊柱管狭窄症とは脊髄神経が通っている脊柱管という

管が何らかの原因で外から圧迫されて神経症状が

出る疾患です。

 

考えらえる原因は大きく分けると3つあります。

 

・骨にとげができる(骨棘)

・腰の関節の変形(椎間関節の退行性病変)

・靭帯が厚くなる(黄色靭帯の肥厚)

 

上記の3つについて詳しく解説していきます。

骨にとげができる(骨棘)

加齢によって骨と骨の間にある軟骨、椎間板の水分が

抜けると腰骨が不安定になり、安定に関与している

靭帯に緩みが生じます。

 

これを止めようと骨に石灰が沈着します。

石灰沈着が大きくなると骨にとげができる

骨棘が発症します。

 

また、骨の下端部(終板)は血流がさかんなため

骨の増殖が起こりやすく骨棘が形成されることが

あります。

 

骨棘ができると、脊柱管の中に入り(硬膜管を刺激)、

脊髄神経が圧迫しされて神経根症状や神経症状が

でることを脊柱管狭窄症といいます。

腰の関節の変形(椎間関節の退行性病変)

腰骨の関節は椎間関節と言います。

腰骨の後ろの部分で関節を形成しています。

 

腰を前に倒したり、後ろに倒したりするときに

よく動きます。この関節が老化によって変形

することがあります。

 

脊髄神経が通っている脊柱管は横から

椎間関節によっておおわれています。

 

変形をしていなければ脊柱管を圧迫しない

のですが、変形をすると骨の形が変わってしまい

脊柱管を圧迫して神経症状が出ます。

 

腰を反らすときに強く脊柱管を圧迫するので

痛みが出やすいです。

靭帯が厚くなる(黄色靭帯の肥厚)

脊柱管狭窄症の原因の中で一番多いのが

靭帯の肥厚です。

 

脊柱管の後方を黄色靭帯という柔らかい靭帯が

通っているのですが、これが老化によって厚くなる

ことがあります。

 

脊柱管の直ぐ後ろを通っているので黄色靭帯が

肥厚をすると脊髄神経を圧迫して神経症状が出ます。

 

黄色靭帯はレントゲンやMRIには写らないので

病院で検査をしても正確には分かりません。

対処法

中年に多い腰椎椎間板ヘルニア

ヘルニアは中年に多いと言われていますが

若者や高齢者でもみられます。

 

椎間板ヘルニアとは腰骨と腰骨の間にある

軟骨(椎間板)が何らかの原因によって

飛び出してしまい、椎間板の後方を通っている

脊髄神経を圧迫して痛みやしびれが出ます。

 

圧迫する神経が足の筋肉と関係があるので

重度のヘルニアになると歩くのが困難になります。

 

【ヘルニアによって影響を受ける足の筋肉】

・大臀筋・中臀筋・小殿筋

・梨状筋

・内転筋群

・大内転筋

・大腿筋膜張筋

・腸腰筋

・大腿四頭筋

・ハムストリングス

・腓腹筋

・前脛骨筋

・長母趾伸筋

・短母趾屈筋

・長母趾屈筋

・短屈筋

 

ヘルニアが1ヶ所だけでなく数ヶ所ヘルニアになると

上記の筋肉がたくさん影響を受け、筋力が

低下するので歩きにくい、もしくは歩けなくなります。

 

またヘルニアが悪化すると痛みやしびれが腰から

足にかけて下がってくるので(抹消兆候)、

歩行困難になります。

 

ヘルニアかどうか自分で判断するには

 

・起床時が一番痛い

・中腰が痛い

・せき、くしゃみ、排便時が痛い

 

上記の3つ全て当てはまる人はヘルニアの

可能性が非常に高いです。

対処法

若者に多い脊椎分離症・脊椎すべり症

部活やスポーツ(野球・テニス・体操・バレー・高跳びetc)をしている

中学生や高校生に多く見られる疾患です。腰を急激に回したり(回旋)、

後ろへ伸ばしたり(伸展)することによって腰骨が疲労骨折を

起こし分離症となります。

 

脊椎分離症は腰骨の前部と後部が分離したものを

いいます。腰骨(腰椎)は5つあるのですが、その中で

5番目の骨に多発しています。

 

脊椎分離症の原因としては

成長期に腰骨の後部に対する強い衝撃や

くり返しストレスが加わった結果、骨の癒合が

なされずに起きるといわれています。

 

また、腰骨と前部と後部の間に軟骨が挟まったり、

軟骨以外の軟部組織が挟まっていたり、あるいは

前部と後部が離れてしまったまま何もない状態も

あります。

 

一度分離症を起こすと、コルセットなどで固定をして

分離した骨同士が癒合することもあれば、しないこともあります。

 

 

脊椎すべり症は腰骨が前後に位置異常を起こしています。

例えば下の骨に対して上の骨が極度に前に移動して

しまっている状態です。

 

4番目と5番目の腰椎に多くみられます。

 

脊椎すべり症は2種類あります。

1つは変性すべり症、もう1つは分離すべり症です。

 

変性すべり症は高齢者に多く、老化によって軟骨が

すり減ってしまい、関節が前後に動いて発症します。

 

脊椎分離すべり症は分離症にすべり症が加わったものを

いいます。

 

 

腰骨の中に脊髄神経が通っているので、分離症やすべり症に

よって骨の位置が大きくずれると神経を圧迫して、腰やお尻

足にかけて痛みやしびれが出ます。

 

重度の場合には歩くのも困難になり立っていても、座っていても

痛みが出ます。唯一寝ている時だけが楽になります。

対処法

対処法はコルセットと深部の筋肉を鍛える体幹

トレーニングです。

 

コルセットはスポーツ用のコルセットをお勧めします。

頑丈で伸縮性があり、生活にあまり支障をきたさない

からです。個人的には「ザムスト」というメーカーの

コルセットをお勧めします。

 

写真のように四つん這いになって片足と反対の腕を

真っ直ぐ上げます。(写真ではまだ左腕が上がっていません)

この状態で30秒間キープします。

 

次に反対の足と手を上げて30秒間キープします。

これを3セット行います。

 

最初は身体がグラグラ揺れて難しいかもしれませんが

何回かやってみると慣れてきて、上手くできるように

なりますので頑張ってトライして下さい。

 

もしもトレーニング中に痛みやしびれが出たら

直ぐに中止して下さい。

 

体幹トレーニングは数日で筋肉がつくことは

ありません。最低でも3ヶ月間が必要です。

 

毎日、コツコツ行えば筋肉がつくスピードが

早くなるので習慣化できるまで継続することが

大切です。

まとめ

腰痛で歩けない場合、もしかして重大な病気!?

考えられる3つの原因と対処法はいかがだったでしょうか?

 

考えられる3つの原因として、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、

脊椎分離症・脊椎すべり症をあげましたが、臨床上

最も多いのは脊柱管狭窄症です。

 

脊柱管狭窄症の特徴として、急に起きる

椎間板ヘルニアとは違って、長い時間をかけて

起きる疾患です。

 

急に歩けなくなることは少なく、徐々に歩けなく

なってきます。歩くのが変だと直ぐに気づいて

早く治療を開始すれば早期に良くなります。

 

痛みやしびれを我慢して、長期間経ってから

治療を開始した場合には治りが悪くなります。

 

脊柱管狭窄症の初期症状は単なる腰痛で

あることが多いので気づかないことが多いです。

 

病院に通院しても腰痛が治らない、何日も経っても

腰の痛みが軽減しない、腰を反らすと痛みが出て

前に曲げると痛みが消える。長時間痛みで立ってられない、

足に力が入らずつまずくようになったら脊柱管狭窄症の

疑いがあるので、直ぐに専門の病院や接骨院で

見てもらうことをお勧めします。

症状について詳しくはこちら

腰痛

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