指は、腱というひも状の構造物があることによって
曲げたり伸ばしたりが可能になっています。
腱は、腱鞘というトンネルのような構造物の中を
通って指先まで続いています。
腱鞘は腱が変なところに行ってしまわないように
腱を抑えこむ役割をしています。
指を使えば使うほど腱鞘と腱の間で摩擦が起き、
腱鞘が徐々に炎症を起こしてしまいます。
これが、腱鞘炎という状態です。
腱鞘炎になり、腱鞘の炎症や肥厚(分厚くなること)が
進行すると、腱が腱鞘の中をスムーズに通れなくなり、
指にばね現象が現れる疾患をばね指と言います。
ばね現象とは、腱が肥厚して通りづらくなった腱鞘の中を
無理やり通る時に、腱がはじかれるようにして通るので、
それと同時に指がはじかれたように曲がったり、伸びたり
することを言います。
症状
・指が痛い
・指が曲げ伸ばしが辛い
・指がカクッとなる
・指の付け根に痛みや腫れがある
・妊娠中または出産後である
・指の曲げ伸ばしがスムーズにできない
・指を曲げようとするとカクッとなり
違和感がある
・指を伸ばそうとするとばねがはじけるように一気に
ぴーんと伸びてしまい指が使いづらい
・指が一定の角度以上伸びない場合もあります
症状が進行すると、自力で指が動かせなくなるので
症状のない手で症状のある指を伸ばすような動作を
するようになります。
また、関節が固まってしまい、自力でも、他の人に
伸ばしてもらおうとしても関節が動かなくなってしまいます。
原因
・指を酷使する仕事を普段からしている。
指を酷使していると当然、腱と腱鞘の間で
摩擦が起きるので、炎症が起きばね指になります。
・妊娠中もしくは出産後でホルモンバランスが悪い状態。
妊娠中や出産後の場合は、骨盤を引き締めるホルモンが
分泌されるので、そのホルモンの影響で全身の腱や腱鞘が
引き締まったり、短縮してしまうので腱と腱鞘の摩擦が増え
損傷が進みばね指になりやすくなります。
・閉経後や更年期。
閉経後や更年期の場合でもホルモンバランスに乱れが
生じるのでばね指になりやすくなります。
閉経後や更年期時には、血流が減少してしまうホルモンが
分泌されるので、その影響で腱鞘の損傷が進み
ばね指になりやすくなります。
・生まれつき腱が短く緊張している場合。
腱が短く緊張しているということは、腱鞘との摩擦が
強くなるので腱鞘炎が進みばね指になりやすいです。
・関節リウマチや結核、細菌感染、糖尿病、人工透析をしている人。
はばね指になりやすいです。
対処法
・ホルモンバランスが原因の場合、血流が悪くなって
ばね指になってしまっている場合があるので
手をぐーぱーさせたり、手をお湯に浸すなどして
血流を良くしてあげることが大切です。
・指を酷使していることが原因の場合は、患部に痛みが
ある時や、腫れがあるときにアイシングをして冷やしたり、
作業を一時中断して指を休憩させることが有効です。
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